起業するなら知っておきたいビジネスモデルキャンバスとは?[前編]

みなさんはビジネスモデルキャンバスを知っていますか?

これは、そのビジネスモデルに最も関わりのある9つの要素をブロックに分けて洗い出すことで、理想的なビジネスモデルを組み立てられる設計図のようなものです。2012年にアレックス・オスカーワルダーとイヴ・ピニュールが出版した「ビジネスモデル・ジェネレーション」で世界的に知られることになったもので、今では経営者、起業家はもちろん、ビジネスパーソンの間で広く知られています。(ちなみに同じ著者で、この9つの要素のうち価値提案に特化した「バリュー・プロポジション・デザイン」という本も自身のビジネスが創造する価値について見直すことが出来るので、前述の書籍をすでに読まれた方は次に読んでみて良いかもしれません。)

こんにちは。Chili Bean’sマーケティングサポーターのサイトウです。今回はビジネスの基礎編とも言うべきビジネスモデルキャンバスの描き方についてご紹介していきます。要素が9つもあるので今回は前編と後編に分けて紹介していきます。是非ご自身の事業についてキャンバスを描いてみてくださいね。自分の現在のビジネスモデルについて客観的に見られるのでとてもおススメです。それでは早速見ていきましょう!

ビジネスモデルキャンバスってどんなもの?9つの要素で分かる事業設計

さて、このビジネスモデルキャンバスですが、起業時にアイデアを推敲していくためにとてもよく出来た仕組みになっています。ビジネスのアイデアは直感的に「これは素晴らしいアイデアだ!」と思えたとしても失敗してしまうことが往々にしてあります。現に起業家の半数以上が1年以内で事業をたたんでしまう現状を見てもそれは明らかですよね。

それは事業のアイデアの斬新さや魅力に取り憑かれてしまい、全体のビジョンを見失っていたり、重要な要素をおろそかにしてしまっていたりすることが原因のひとつと考えられます。そんな失敗を事前に最小限に食い止めるために、このビジネスモデルキャンバスで一度事業計画の全体を見直してみてはいかがでしょうか。視覚的に見ることが出来るので感覚的に事業の全体像を捉えることが出来ますよ。

このキャンバスを構成する要素は以下の9つです。順番はこの通りに記載していく方が望ましいです。例えば商品ありきで顧客を探すというやり方では、いざ顧客を探した時に売れそうな市場が無かった、ということになりかねないからです。必ずどんな顧客なのかを最初に明確にしましょう。これを明確にするためにはSTP分析をしてみるのもいいですね。

1顧客層
2価値提案
3販路(チャネル)
4顧客との関係
5収益の流れ
6主な資源
7主な活動
8 主なパートナー
9費用の構造

これだけ見ても何がそんなに優れたものなのか分からないと思いますので、実際にChili Bean’sのビジネスに基づいて見ていきましょう(2020年8月現在のサービス内容です。予告無く変更される場合がありますので必ず最新のサービス内容をご確認ください。)。ちなみに、実際に書き出す時は後で変更できるように付箋に書いてボードに貼っていくか、消せるホワイトボードなどで実行するのが良いと思います。個人的には一度書いたものを取っておける付箋の方がおすすめです。実際に作ってみたい!という方は、以下にPDFをご用意しましたのでダウンロードしてご活用くださいね。*用紙サイズはA4横になります。適宜拡大して印刷してご使用ください。

ビジネスモデルキャンバスを作ってみよう!

1顧客層:どんな方がお客様となりえるのか、あなたの事業が提供する価値に対価を支払うであろう人を想定します。

Chili Bean’sの場合
-起業したての方
-個人事業主・自営業の方
-日本で支社を起ち上げたばかりの外資系企業
-個人やスモールビジネスでオンライン広告の活用を検討している方

ここに関してはしばらく事業を続けてみて、予想していた顧客が実は自社にとって魅力的ではなかったということもありえます。その場合は顧客の見直しも検討しましょう。

2価値提案:事業が提供できる価値、顧客の問題に応える解決策などです。

Chili Bean’sの場合
-予算に合わせたマーケティングプランのカスタマイズと実行
-個人レベルでも小額から始められるオンライン広告の出稿代行または運用サポート
-選べる明瞭会計(プロジェクトベース or 月極め or 相談のみ)
-日本語・英語両方でのプラン作成

誰にでも真似できるものや、差別化にならないものである場合、価値を感じてもらえなかったり対価を支払ってもらえなかったりする可能性がありますので、見直すべきでしょう。

3販路:どこで商品を提供するかを明確にします。

Chili Bean’sの場合
-ウェブサイト・SNS
-自社営業やDM
-起業家コミュニティ
-個人事業主コミュニティ

その販路に顧客がいるかどうか、いない場合はどう集客するか、販路の拡大なども考えます。Chili Bean’sの場合、もっと起業家コミュニティや個人事業主コミュニティにもネットワークを広げる必要がありますね。。。現状を振り返ってみて「ここはあまり強化できていないな」と思うところは今後の課題としても見えてきます。

4顧客との関係:どのように顧客と関係を築くかを検討します。

Chili Bean’sの場合
-ウェブサイト、DM、SNSを活用した新規開拓、関係維持
-コミュニティや紹介を通した新規開拓
-徹底したパーソナルアシスタンス

新規開拓、関係維持、販売拡大(より高価なものを販売する)など目的によってもタッチポイントやコミュニケーションの方法は変わってきます。

5収益の流れ:顧客が価値を認めてお金を支払うサービス、商品について洗い出します。

Chili Bean’sの場合
-企画・進行管理費
-広告代行費
-月間サポート費
-コンサルティング費

9番目の「費用」の項目とも連携する箇所です。月々、また年間通じて事業を維持できるバランスになるか、維持するためにはこれで収益が足りているのか、期待値なども含めて試算しておくと良いでしょう。

”右脳”と”左脳”で補完し合うビジネスモデル

冒頭でご紹介した書籍「ビジネスモデル・ジェネレーション」によると、このビジネスモデルキャンバスを縦に半分に分けると、右は人間でいうところの「右脳」、左は「左脳」に深く結びついているとのことです。つまり、右サイドは「感情=価値」、左サイドは「理論=効率」を示しています。今回の前編で紹介した1~5までは、正しい顧客層を選び、彼らの課題を解決したり、必要としているものを与えたりすることで価値を創造し、最適な場所と方法でそれらを提供し、収益を得るという流れがあります。そのためには顧客がこの商品は魅力がある!ほしい!と思ってもらわなければなりません。その思いの強さが支払う対価を決定付けるのです。

さて、もっともっと深い話しもあるのですが、今回の前編はこのくらいにしておきましょう。後編では上記の通り、じゃあその価値を感じてもらって対価を支払ってもらえるようにするには、どんな活動を誰と協業して、どんな資源を投資すれば達成できる?というところを掘り下げていく作業になります。このキャンバスの面白いところもご紹介できればなと思っていますのでまたコラムをチェックしておいてくださいね。

また、マーケティング基礎のご相談やオンライン講座も受け付けますのでもし興味があればいつでもお問い合わせくださいね。

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