起業するなら知っておきたいビジネスモデルキャンバスとは?[後編]

こんにちは。Chili Bean’sマーケティングサポーターのサイトウです。前回のコラムでは「起業するなら知っておきたいビジネスモデルキャンバスとは?前編」をお送りしました。今回は後編をお送りいたします。後編では「右脳」と「左脳」でいうところの「左脳」パートである6-9番目の要素をキャンバスに描いていきますよ。左脳、つまり理論をつかさどり、効率的な事業を展開するために重要な要素が詰まっているところです。それでは早速行ってみましょう。

6主な資源:事業に欠かせない、価値提供するためのリソースを記載します

Chili Bean’sの場合
-企画力
-コンテンツ制作力
-プロダクションネットワーク

物を提供する場合はその商品を作る原材料だったり技術だったりしますが、サービスを提供する場合は知的財産や人的リソース、ネットワークなんかもサービスを提供するための重要な資源になります。

7主な活動:価値を提案するための活動にかかわる項目です。

Chili Bean’sの場合
-企画の提案と実行
-コンテンツ提供
-広告運用
-アドバイス

ニーズのある製品の製造だったり、問題解決、プラットフォームの開発や維持などもここに当てはまります。

8主なパートナー:製造業の場合サプライヤーや卸業者、協業する戦略的アライアンスパートナーなどがこれにあたります。

Chili Bean’sの場合
-クリエイティブエージェンシー
-ライターや編集者、デザイナー、webコーダー、カメラマンなどコンテンツ制作に必要な専門職の方々
-SNSコミュニティ
-その他ビジネスパートナー

サービスの場合はそのサービスにかかわる開発者なども明確にする必要があります。必要なパートナーなのにパスが無い場合はパスを作る必要があります。

9費用の構造:そのビジネスモデルに必要な経費を洗い出します。

Chili Bean’sの場合
-人件費
-宣伝費
-交際費
-移動費
-ソフトウェア使用料

固定費、変動費などの種類に加え、ボリュームディスカウントが効くのか、それとも品質が高い方が良いのか、自分が持っている既存のリソースが使えるのか、など様々な側面が見えてきます。

足りないところは補強するか変更しよう!

9つの要素すべてを書き出したら、それぞれのピースがうまくはまっているかをじっくり検証しましょう。上記で言えば、「起業家」や「個人事業主や自営業」の方を顧客としている割りに、販路のコミュニティへのアプローチがあまり出来ていないことに気づきました。市場分析をする上でも欠かせないので、ここは今後どんどん強化するべきポイントだと思います。

また、別の課題として、「マーケティングの価値」を個人の方が感じているか?残念ながら現状はそうではありません。私としては商売するなら絶対的に必要な知識だと信じていますが、当の本人は「よくわからない」と感じている場合がほとんどだと思います。ここの意識を変えるための突破口が必要です。個人事業主でも起業家でも事業を成功させたいと思っているのは確かなので、価値をどう伝えるか、少しずつ色々な検証をしていこうと思っています。

また、このビジネスモデルキャンバスのよく出来ているところとしては、一つの変数が変わると他の要素も変わってくるという点です。STP分析の時にも触れましたが、例えば極端な例でいうと顧客層が「都内の高級住宅街に住む高齢者」から「地方に住む10代の女子高生」に変更された場合、提供するサービスも、販売する販路も、コミュニケーションの手法やプラットフォーム、タッチポイントも、収益の流れも変わります。それらが変わってくると今度は左脳の部分も変更が必要になってくるでしょう。アクティビティはよりオンラインに力を入れる必要がありますし、パートナーもアプリ開発者や外部のプランナーやエージェンシーが必要かもしれません。また、販路をAMAZON出店から自社ウェブのみに切り替える、デパートに出店するなどの変化でも収益や費用の構造が変わります。事業に関連する要素がこの9つに凝縮されているので、すべての状況を俯瞰で見ることができ、事業内容や事業計画を変更する際に起こりえる連鎖的な変化や、必要な改善ポイントも見つけやすくなります。

というわけで前編・後編とビジネスモデルキャンバスをご紹介しました。もし事業内容に抜け漏れがないかを確認したいという場合や、現状の事業の状況を客観的に分析したい、という場合にとても便利なので是非使ってみてくださいね。ビジネスモデルキャンバスのダウンロードは以下からどうぞ!*用紙サイズはA4横になります。適宜拡大して印刷してご使用ください。

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