「日米決算書の読み方オンライン特別授業」イベントレポート

残暑も和らいできた9月下旬、新宿にある国際資格の専門校アビタス新宿校にて「日米決算書の読み方オンライン特別授業」がオンラインにて行われた。

イベントに登壇したのは、同校でマサチューセッツ州立大学のMBA講師を務める齋藤浩史氏(通称JB先生)と、決算書クイズで6万人以上のTwitterフォロワーを誇る大手町のランダムウォーカー氏。両者とも決算書に関する書籍を執筆している、いわば決算書による企業分析のプロフェッショナルだ。

決算書からアメリカ大手企業の戦略を紐解く「GAFAの決算書」の著者でもある齋藤氏と、会計クイズを解くだけで財務3表がわかる「世界一楽しい決算書の読み方」を執筆した大手町のランダムウォーカー氏の両者が、「決算書を読むことに対して苦手意識を持っている人たちにも、その楽しさや奥深さを知ってほしい」と意気投合したことから今回のコラボが実現した。

当日のオンライン特別授業イベントへは日本のみならずアメリカやオーストラリア、ヨーロッパ、更には移動中の飛行機の上からも参加者があり、ビジネスパーソンからの注目度の高さが伺える。視聴者層は老若男女問わず幅広く、決算書に高い関心を持つ方、MBAやUSCPAといった国際資格の取得検討者や卒業生、決算書に対して苦手意識を持つ方まで多く参加していた。

進行は先述のアビタスが「天の声」として取り仕切り、午後1時からイベントはスタート。今回はZoomに加え、YouTubeでも参加できるとあって、多くの参加者が開始から視聴していた。

開始早々、大手町のランダムウォーカー氏が「少し緊張しているので」とアイスブレイクがてらお得意の会計クイズを出題。「古本販売のブックオフ、100均ショップのキャン★ドゥ、コンビニのセブンイレブン、この3社のうち、セブンイレブンの財務データはどれか?」という問題に対し、参加者は自分なりの回答を次々にリアルタイムでチャットボックスに投稿していく。シンキングタイム中には大手町のランダムウォーカー氏が、見るべきポイントを解説するなど、決算書が苦手な初心者への丁寧なフォローを欠かさない。

アイスブレイクで場が温まったところで、大手町のランダムウォーカー氏と齋藤浩史氏の自己紹介を挟み、いよいよ本編へ。

本編ではまず、それぞれの著書や決算書の読み方に対する考え方、取り組み方についてトーク。大手町のランダムウォーカー氏は著書の執筆に至った経緯や、会計クイズをTwitter上で始めたきっかけを、齋藤氏はアメリカ企業の決算書を読み解く際のポイントや書籍出版時の話について聞かせてくれた。

そして続くセクションでは、大手町のランダムウォーカー氏がTwitter上で出題している会計クイズの形式を取り、日本企業とアメリカ企業という切り口でお互いがクイズを出し合いながら進行していく。出題の前に「5分で分かる損益計算書」というミニセッションが設けられ、初心者向けにクイズに答えるために必要な知識や用語、見方を紹介。「売上高」「売上原価」「販管費」「営業利益」など基本的な損益計算書の項目を押さえたところで、どの参加者でもクイズに応えられる下地が出来上がった。

その後は両者が選りすぐりの会計クイズを交互に出題。登場する企業はコメダ珈琲、アップルなどどれも参加者に馴染みのある大企業ばかりだが、そのビジネスモデルや戦略についての解説は普段あまり意識していないような興味深い内容だ。二問目以降のテーマは貸借対照表の読み方に移行する。こちらも出題前に簡単な貸借対照表の読み方をレクチャー。任天堂と三越伊勢丹ホールディングスを例に、業界の違いによる資産と負債の構成比の違いや、Amazonの自己資本比率の割合から紐解く日米企業の体質の違いなどをそれぞれが解説していく。

最後の問題は、新型ウィルスの影響で在宅時間が多くなったことでお世話になっている方も多いであろうオンラインビデオ会議ツールのZOOMと、動画配信サービスのNETFLIXの貸借対照表を当てる問題が出題された。サーバーや開発費、サブスクリプション費回収のタイミング、オリジナルドラマ制作費など、判断を迷わせる材料が多く、参加者の回答も様々だった。また、この中で紹介されたNETFLIXのマーケティング手法は目から鱗だった参加者の方もいたのではないだろうか。

イベントの最後は質疑応答タイム。MBAと財務諸表の読み方の関連性、公開されていないベンチャー企業などの決算書の入手方法、利益率の高い企業や業界について、新型ウィルスによって財務諸表の読み方はどう変わるのか、など参加者から寄せられた多岐にわたるトピックについての質問に回答した。

イベントの締めくくりに、齋藤氏から「これからもこうしたコラボなどのイベントを通じて、皆さんに良い影響を与えることができれば」との言葉があったように、今回のコラボイベントは「学び」のハードルを良い意味で下げ、多くの人に良い刺激を与えたイベントになったことだろう。また、10月には内容を変更してこの2組のコラボによる無料オンライン授業イベント第二弾が開催されるそうなので、興味のある方、決算書は苦手だという方も気軽に参加してみるのもいいかもしれない。

◆日米決算書の読み方オンライン特別授業【第二弾】
2020年10月17日(土) 13時~15時 予約はこちらhttps://abitus.jp/3h8MXI0

アビタスのHPはこちら
大手町のランダムウォーカー氏のTwitterはこちら
齋藤浩史氏のHPはこちら

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