個人でも出来るマーケティング基礎:3C分析を始めよう

お久しぶりです。マーケティングサポーターのサイトウです。

学びの秋ですね。MBAを卒業してから英語に触れる機会が減っているので、積極的に英語のニュースや本を読むようにしています。最近ではMOOC(Massive Open Online Course=大規模公開オンライン講座)が注目されていますよね。私も現在edXでハーバード大学のLeadership Exerciseクラスを受講しています。ハーバード大学、MIT大学、スタンフォード大学などの超一流の大学の授業がなんと無料(!!)で受けられるのです。もうこうなったら日本の大学に通うのもばからしくなりますね。。。私の場合は4週間ですが、内容はとても充実しており、他の受講生の書き込みなどにコメントしてインタラクティブなやり取りもできます。
ただ、無料のクラスで学べないものももちろんあり、マーケティングの授業はほとんどありませんでした。なので、こちらのコラムでもマーケテイング基礎の記事をしばらくは書き続けようかなと思いますので、どうかお付き合いくださいね。

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3C分析はマーケティング戦略を立てる下ごしらえ

マーケティングについて少しでも勉強したことがある方なら3Cや4Pといった用語を聞いたことがあるかと思います。先日ご紹介したSTP分析SWOT分析と並んで、マーケテイング基礎では必須のフレームワークです。

そもそもこの3つの「C」が何を指しているのか、知っている方もおさらいがてら一緒に見ていきましょう!

3つのCとはずばりこちらです!!ダダン!

Customer(顧客)
・Competitor(競合他社)
・Company(自社)

この3つのCを分析することで、現状を把握することができるので、戦略を考える際にとても役に立ちますよ。これらのCを導き出す作業は言わば戦略を立てる前の下ごしらえのようなもの。これらがなければうまく料理を完成させることもできません。たった3つの項目ですので少し時間を取って取り組んでみて下さい。それでは早速それぞれの項目についてひとつずつ見ていきましょう。

1:探偵になったつもりでCustomer(顧客)を探ろう!

まずは、顧客を知りましょう。顧客を知ることで取る戦略や開発するべきサービスや製品が変わってくるはずです。これは市場調査とも言えます。例えばお店を経営されている方であれば、そのお店のサービスを買ってくれるのがどんな人なのか、性別、年齢、住んでいる場所、関心事、趣味、行動範囲や家族構成、収入、人生のどのフェーズにいるのか、どんなメディアから情報を得ているのか、どのSNSを活用しているのか、探偵になったくらいのつもりで細かい人物像を描いてみて下さい。そしてその人たちがどのくらいの頻度で来てくれるのか、エンゲージメントやロイヤリティはどうか(ブランドやお店への忠誠心や来店や口コミなどのアクションを起こしてくれる度合)を比較しながら、セグメント(顧客層)を分けていきます。顧客をグループに分けることで優先順位をつけて、一番手厚くケアした方が良いグループに対しては多少の投資をして関係維持や向上、グループ拡大を目指します。また、別の機会にも深く触れようと思いますが、顧客だけでなくこの項目では市場全体を知っておく必要がありますので、市場分析や環境分析なども本来は必要です。ただ、基本的な市場にまつわるデータなどは経産省などの資料でも見られますので、簡単に目を通しておいてくださいね。それと、新聞やニュースは市場に関する動向を知ることができますので、こちらも定期的にチェックしましょう。Google Alertを使えば自分の産業などに関連したキーワードからニュースを自動で届けてくれるのでこちらも活用してみて下さい。

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2:Competitor(競合他社)の弱みを握れ

次に競合他社を調べます。お店であれば徒歩圏内、沿線にある同様の人気店をしらみつぶしに調べます。もちろん来店して偵察することも必要です。自分のお店にはできないようなことはなんでしょうか?価格のつけ方はどうでしょうか?立地も重要な要因ですよね。顧客層が近しいお店があれば優先度を高めにして徹底的に研究しましょう。お店の雰囲気やスタッフ、メニューや商品の質、レイアウトやデザイン、決済方法の種類、オンラインでの施策やSNSアカウント、キャンペーンの内容など、自社にも生かせるような工夫があるかもしれません。そして、どんなに優れたお店であっても欠点や不足が1つもない、ということはないはずです。例えば若いお客様は多いけど男性やお年寄りはほとんどいない、とか、味は素晴らしいけど値段が高すぎる、とか、立地があまりよくない、スタッフの愛想が悪い、など、相手の弱点がどこなのか、クレーマーの気持ちになってケチをつけてみて下さい。きっといくつか弱点を見つけることができますよ。

3:Company(自社)の強みを見つけよう

最後に、自社について振り返ってみましょう。狙いたい顧客に合った適切なサービスやコミュニケーションをしていますか?自分のことというのは意外と客観的に見るのは難しいと思います。ですので、上記の競合分析で上げた項目と同じ項目を挙げて、一番競合として自社のポジションに近しいお店か、お手本にしたいお店との対比表を作ってみて下さい。例えばパン屋さんであれば食パン一斤当たりの価格を比較する、立地なら駅からの距離で比較する、顧客の年齢層や多さで比較する(例えば主婦が多めなのか、ファミリー層が多め、お年寄りの男性が多め etc.)。そうして出来上がった比較表をよく見て、差別化できそうなポイントや、勝てそうなポイントを探ります。この時致命的な弱点が見えていたらそれはもちろん改善をします。自社での改善が難しそうであればコンサルタントを入れた方が良いと思います。先ほどもお伝えした通り、自分のことを客観的に見つめなおすのは非常に難しいのです。さらに勝手知ったる業界のこととなると、「思い込み」も冷静な判断の邪魔をします。全く違う業界の人から見たら「なんでこんな効率の悪いことしてるんだろう」と思うようなことになかなか気づけないのです。コンサルタントを雇うお金が無い場合は知り合いやお客様にアンケートを取ってみて下さい。自分たちの気づかなかった点が浮き彫りになるかもしれません。

最後に:まずは現状と未来像のギャップを知ることが大切

3C分析は現状を知るために必ずやった方が良い分析です。これをやらずしてただただ売り上げが伸びない、お客様が増えない、と嘆くのは無意味です。まずは現状でうまくいっていることと、問題点を捉えることが大切です。そして現状を把握したうえで、自分たちがそれではここからどこを目指すべきなのか、実現可能な小さな変革でも良いので未来像を描いてください。そしてそこまでのギャップを測り、そこへたどり着くまでにどれくらいの期間を設けるのか、投資すべきところはどこか、削減すべきところはどこか、変えなくてはならないポイントは何か、ひとつずつ洗い出してみて下さい。そうすることで最終的には事業改善計画が出来上がっていると思います。事業改善計画なんて堅苦しい感じがしますが、難しいことはありません。特にスモールビジネスの方であれば自分の計画を自分が整理できて、分かりさえすればよいので、手書きのメモでも構わないと思います。大切なのは、①現状を知る②理想の未来像とのギャップを知る③そこへ向かって計画を立てる、というこの3ステップです(そして④計画を実行した後は⑤振り返る、も重要です!)。皆さんももし事業で悩まれることがあれば、試しに3C分析してみて下さいね。意外と頭の中が整理されて筋道建てた戦略を作れると思いますよ。

もちろん、いつものごとく、何か困ったことがありましたらChili Bean’sでもマーケテイングのお手伝いはさせていただいていますので、お気軽にお問い合わせください~

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